逆張りサラリーマン投資家しめじ

逆張りこそ至高、高値は買わない!

ドル為替とアメリカ株・新興国株の関係:利下げ局面で見えてくる“風の流れ”

 

こんにちは、逆張り投資家のしめじです。

 

 

最近「FRBの利下げが近い」というニュースをよく耳にしますよね。

金利が下がると株が上がる──そんな単純な話のように見えて、実は日本人投資家にとっては少し厄介な話でもあります。

 

なぜなら、ドル為替がその“裏の主役”として静かに相場を動かしているからです。

 

 

---

 

■ 利下げ=ドル安円高の基本構造

 

アメリカが利下げを始めると、ドル金利が下がるため、世界中の資金が「ドルで持っているより、他の通貨に移した方がマシだ」と動き出します。

結果として、ドル安円高が進みやすくなります。

 

たとえば1ドル=150円だったのが、利下げ局面で130円台まで円高になれば、

ドル建てでの利益が目減りするわけです。

 

アメリカ株が+10%上がっても、

 

為替が−10%(円高)動いたら、

→ 日本円ベースでは“トントン”という残酷な現実。

 

 

つまり、利下げはアメリカ企業にとっては追い風でも、日本人投資家にとっては為替の逆風になる可能性があるのです。

 

 

---

 

■ 為替の影響でアメリカ株が「上がりにくく見える」理由

 

アメリカ株(S&P500やNASDAQなど)は、基本的にドルベースで評価されます。

ドルが安くなれば、世界的には「割安に見える」効果があるのですが、

日本人から見たときには円換算でのリターンが薄くなるんです。

 

たとえばドル建てでは株価が順調に右肩上がりでも、為替が円高方向に振れれば、

円換算のグラフは“ゆるやかな坂道”にしか見えません。

 

アメリカ株は上がってるのに、自分の口座では増えてない…」

──この現象、まさに為替マジックです。

 

 

---

 

■ では、なぜ新興国株がドル安の恩恵を受けるのか?

 

一方で、利下げによるドル安局面では、新興国が元気になりやすいんです。

 

理由はシンプル。

多くの新興国企業はドル建ての借金を抱えています。

ドルが安くなる=借金の実質負担が軽くなる。

 

さらに、ドル安になるとコモディティ原油・金属・農産物など)の価格が上がりやすくなります。

資源を輸出する国(ブラジル・インドネシア南アフリカなど)にとっては追い風になるわけです。

 

つまり、

 

> アメリカがくしゃみをすると新興国が風邪をひく

ではなく、

アメリカが利下げすると新興国が花粉症から回復する

──そんなイメージです。

 

 

 

 

---

 

■ しめじの逆張り視点:利下げ局面は「ドル安トレード」の始まり

 

利下げは景気の減速を受けて行われることが多く、

アメリカ株の“割高感”が意識されやすい時期でもあります。

 

そんなとき、私は**アメリカ株よりも新興国ETF(EEMやVWOなど)**を少しずつ拾う戦略を取ります。

 

また、為替リスクを抑えるなら、**為替ヘッジ付きの米国株ETF(たとえば「iシェアーズ米国株ヘッジあり」)**を使うのも手。

ただし、ヘッジコストがかかる点には注意です。

 

 

---

 

■ 実際のポートフォリオ例(しめじ流)

 

資産クラス 比率 ポイント

 

米国株(S&P500・ヘッジあり) 40% 為替変動を抑えて安心運用

新興国ETF(VWOなど) 30% ドル安の恩恵を狙う

米国債・金ETF 20% 安全資産としてのバランス

日本株(バリュー系) 10% 円高で割安になる国内株を逆張り

 

 

逆張り”の基本は、

「みんながドルに背を向けるときに、冷静に資金の流れを読むこと」です。

 

 

---

 

■ まとめ:為替は「風」、株は「帆」

 

投資って、まるでヨットみたいなものだと思います。

株という“帆”を張っても、風(為替)が逆向きなら進みにくい。

 

でも、風の向きを読めば、どんな相場でも前に進むことができる。

 

利下げ局面は、ドル安という“新しい風”が吹き始めるタイミング。

アメリカ株の伸びが鈍く見えても、

その風に乗って走り出す新興国株の帆を広げるチャンスなのです。